ART WORKS

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This Feeling@中之条ビエンナーレ2023

(2023.群馬 )

ナトリウム灯に照らされた夜の高速

ふと空が開けた山道に現れたシャガの花

今でも耳に残る四万川の音

美しさと怪奇さとの均衡 あるいは聴覚フルネス

これまで感じた「そう、この感じ」の記憶を辿り ながら、その立ち上げを試みたい。

The highway at night was illuminated by sodium lamps. Iris flowers suddenly appeared on the mountain road where the sky opened. The sound of the Shima River still lingers in my ears. There is a balance between beauty and strangeness, or auditory fullness. While tracing the memories of “yes, this feeling” that I have felt so far, I want to try to reconstruct it.

展示場所:旧第三小学校 Former Daisan Elementary School

中之条ビエンナーレ2023に出品

symbiotic garden@下町芸術祭2023 

(2023.兵庫 )

作品展示会場であるAtlier KOMAは、神戸市長田区にあるオルタナティブスペースである。

阪神淡路大震災で、大きな被害を受けた神戸市長田区であるがAtlier KOMAがある漁港エリアは奇跡的に建物倒壊被害が少なく、古い建物や街路が残っている。

そんな下町情緒あふれる会場周辺エリアは、韓国、ベトナムなど様々なルーツがある方々が暮らしている多国籍なエリアとしての特徴も合わせ持つ。

それを踏まえ、展示期間中に日本、ベトナム、韓国に関係の深い植物を一堂に介して栽培したり、各国にルーツがある香辛料も同じ食卓に並べることで、展示空間に「共存」をコンセプトとした表現を試みる。

ここまでは、当初のコンセプトだ。

いざ展示にとりかかり始めると、様々な人々の活動の場所になっているAtlier KOMAには、子どもたちが作った作品や、アーティストの作品など、作品や活動の痕跡がたくさん残っていた。

そのような、複数の人々が活動している「気配」がAtlier KOMA自体の場所として魅力でもあると考えた。

そうしたことも考えると、多国籍な雰囲気に加えて、Atlier KOMAを利用する多様な人々の気配も取り込み、「気配のジャングル」をコンセプトとしての展示空間づくりを試みた。

イサマムラ遺跡 

(2021.群馬、2019東京 )

中之条ビエンナーレ2021に出品

会場は、伊参スタジオ校庭です。

「遺跡」を制作する遺跡発掘型インスタレーション作品

中之条町には、縄文時代、弥生時代等各時代の遺跡が多数発見されている。

現在は、校庭となっているがこの場所にも「イサマムラ文明」的な遺跡が今も地下に眠っているのかもしれません。

中之条イサマムラ遺跡

SAWADA SCHOOLOGICAL NICHE CLASS ROOM

(2019.群馬)

廃校になった小学校の教室に設置した作品。

教室に並べられた机上にて「統一された光量、水分供給」の下、植物の栽培を行った。

ガラスケース内に植栽した植物は、統一された条件の下、適応できないものは枯れていく。

一方、ガラスケースに収まりきらずに成長する植物も存在する。

しかしながら、ガラスケースを出て成長し光の圏内からはみ出した部分は枯れていく。

私たちは現代の社会という「ある一定の条件下」で生きている。

本作品では、とりわけ学校教育の問題を示唆しながらも、

あらゆる状況下でなんとか適応して生きていく生命の逞しさも垣間見ることができる。

Photo By Genki Sato

SAWADA SCHOOLOGICAL NICHE POOL

(2019.群馬)

作品設置会場である旧沢田小学校は、2015年に廃校となった比較的新しい小学校校舎です。

廃校となる前は、現代日本の公教育が児童達に行われた場所でした。

児童・教師たちがいなくったこの空間は、中之条町沢渡に生まれたすき間(niche:ニッチ)空間です。

このすき間には、これまでの「学校教育の場」では発生しえなかった新たな景色が生まれうるのではないでしょうか。

プールでの作品は、「祠」と「暗黒の波をモチーフ」に廃校の空間を構成しました。

Photo By Genki Sato

CELEBRATION

(2017東京、2019.北海道、2019和歌山)

東京の善福寺公園、北海道弟子屈町、和歌山県串本町姫地区にて展開した、祭典会場型インスタレーション。

それぞれの地に宿る八百万の神をもてなす無人の祭典会場を制作した。

The Whisper of the Color Red

(2019、東京)

「風の囁き」をモチーフに、赤色を基軸とした複数の風鈴を吊り下げるインスタレーション作品

風鈴は、日本において夏の風物詩として「風を音色」とすることで「耳で涼をとる」という習慣があります。

風鈴は今でこそ生活に潤いを与えるものといった意味合いが強いですが、

かつて「強い風」は流行病や悪い神も運んでくるとされたことから寺などの「風鐸」は邪気除けの意味合いもあり、

その音が聞こえる範囲は聖域で災いが起こらないとされた。

風鈴の起源とされる中国では風鈴の音のなり方で吉凶を占ったり魂を呼ぶ存在であったり、

幸運をもたらすものとされたりするなど地域によって風鈴は幅広い意味を持つものである。

多様な意味合いを持つ「風鈴」のインスタレーションを東京の善福寺公園内に設置し、

その音を響かせることで、展示空間が持つ場所の意味を深め、その場所の囁きに耳を澄ませたいと考えた。

Photo By 岩崎が